千葉県野鳥の会・奥日光探鳥会・旅日記
二〇〇八・平成二十年六月十四日(土)・十五日(日)。一泊二日の探鳥会に参加しました。
総勢二十八名(男性十五名・少年一名・女性十二名)の参加でした。富谷会長さんと
世話人の飯島滋哉さんの御世話になりました。小生は、初めての奥日光の探鳥会参加
にて大変楽しい有意義な経験でした。相変らずの愚作の旅日記ですが、寄稿致しますので、
ご覧頂きお笑い下さい。
            東武浅草(東武鉄道)八時半集合・九時十分発
     浅草に弁当選ぶ初夏の旅
     快速や野鳥談議の梅雨晴間
            東武日光(東武鉄道)十一時十五分着
     立ちんぼも期待に満ちて夏帽子(東武バス)十一時二十九分発
             湯瀧・戦場ヶ原・光徳・探鳥会。十三時半頃より
     それぞれに遅き昼餉の夏木立
     初夏の空徘徊の鳶(トビ)輪を描く
     見所の湯のガイド黄鶺鴒(キセキレイ)
     温度差に突如春蝉(ハルゼミ)鳴き止めり
     微かなる小啄木鳥(コゲラ・キツツキ科)の敲く新樹かな
     老鶯(ウグイス)の道々鳴きて止まらず
     細流に通し真鴨(マガモ)の世慣れ顔
     草原に燕(ツバメ)の仕舞夏めきぬ
     三岳や夏の鵟(ノスリ)の鳥瞰図
     さあどうぞ望遠鏡の初夏の鳥(大写し)
     
      野鶲(ノビタキ)や戦場ヶ原の道化者
     頬赤(ホオアカ)に振りさけ見れば男体山
     夏の百舌(モズ)見晴らす梢の点と化す
     鳴き頻る郭公(カッコウ)筒鳥(ツツドリ)時鳥(ホトトギス)
     (ズミ)の花戦場ヶ原の白い絹
     初夏の夢奥日光の尾白鷲(オジロワシ)※未確認
     一声の山椒喰(サンショウクイ)の影見えず
     岩燕(イワツバメ)軒の巣造りお湯の宿
     いとほしむ何時もの仕草夏雀
            紫雲荘(奥日光湯本温泉)十七時頃到着
     白濁と硫黄の匂い初夏の宿
     貸切の至楽の宿や夏座敷
     会長(富谷健三さん)の短き弁に宴始まる
     初夏の夕野菜野草に湯葉の膳
     浴衣着て一升瓶の手酌かな
     短夜に地質権威(樋口 滋さん)の地震講(岩手・宮城内陸地震発生)
     早寝して夜鷹(ヨタカ)の出番聞き逃す
            早朝探鳥会・湯の湖畔(午前四時出発)
     夏暁の身支度厚目となりにけり
     青鷺(アオサギ)の鋭き視線その場去る
     貪欲の河烏(カワウ)奥迄来りけり
     緑陰に入内雀(ニュウナイスズメ)の白い腹
     入ってます(イカル)の番若葉風(望遠鏡に)
     雉鳩(キジバト)の夜明けの響き新樹かな
     喧騒の鴉(嘴太・ハシブトカラス。嘴細・ハシボソカラス)ならぬや里の初夏
     黄鶲(キビタキ)を湖畔の茂り隠しけり
     一飛びの懸巣(カケス)の線に夏の空
     夏の水鶺鴒(背黒・セグロセキレイ。白・ハクセキレイ)の尾の上下動
     雀(カラ)の群れ日雀(ヒガラ)・小雀(コガラ)に四十雀(シジュウガラ)
     似た者の蒿雀(アオジ)野鵐(ノジコ)に目を凝らす
            刈込湖畔迄の探鳥会・往復(朝食後八時十五分出発)
     
     大瑠璃(オオルリ)の梢の舞台蓼の湖
     慈悲心鳥(十一・ジュウイチ)小瑠璃(コルリ)の住居近きかな(託卵)
     思わずも茂りの梢鷦鷯(ミソサザイ)
     隈笹に山坂汗の先導者(飯島滋哉さん)
     小走りの少年の意志青葉風(元君・小学五年生)
     母子して初夏の探鳥頼もしき(今井祐子さん・元君)
     便追(ビンズイ)の小峠越えてずーと入る
     夏笹に野猿の顔の見え隠れ
     蟲喰(ムシクイ)は目細(メボソ)仙台(センダイ)蝦夷(エゾ)の歌
     風薫る目千両の小鮫鶲(コサメビタキ)
     蝦夷鶲(エゾビタキ)の胸の横斑夏木立
     可憐なる菊戴(キクイタダキ)の夏の群
     五十(ゴジュウガラ)逆さとなりて下りたるか
     待ち侘ぶる駒鳥(コマドリ)高音の晴れ姿
     見慣れたる冬の赤腹(アカハラ)木下闇
     万緑やお握り摘む刈込湖
     赤啄木鳥(アカゲラ・キツツキ科)を背に夏きざす湖畔かな
     湖畔には姿も見せぬ夏の鴛鴦
     往路より復路の早き日の盛り
     椋鳥(ムクドリ)や打水されて惚け顔
            紫雲荘(前出)
     荷造りに立ち寄り夏の貰い風呂
     夏の雲一番乗りのバスの列(東武バス)十四時五分発
     席に着き初夏の最後の鳥合わせ(観察四十八種類の記録確認)
            東武日光(東武鉄道)十五時五十九分発
     世話人(飯島滋哉さん)の席取り走る薄着かな
     鱒鮨や新旧捲る鳥図鑑(布留川毅さん)
        ◎フィールドガイド日本の野鳥・(財)日本野鳥の会発行。
        ◎新・今井君・二千八年四月発行。旧・小生・千九百八十五年十二月発行
     西日中鳥を肴の車窓かな
     別れ時思い出深きゆやけかな
     梅雨入りも快晴続きの探鳥会
     ※○○○囲みは夏の季語です。
          東武浅草・十八時三十六分到着
           平成二十年六月末日
                         白田萬里(義郎)