天橋立・鳥取砂丘・出雲大社・足立美術館・倉敷・の旅日記
白田 義郎
平成二十三年四月中旬。東日本大震災の余震の最中であったが予定通り妻・長女・孫娘と旅行に出掛けた。第一日・羽田空港・伊丹空港・(岡山空港までバス利用)・出石・伊根湾・天橋立・宮津泊。第二日・宮津・豊岡・浦富海岸・鳥取砂丘・白兎海岸・宍道湖・出雲大社・皆生温泉泊。第三日・皆生・足立美術館・お菓子の寿城・倉敷・鷲羽山・岡山空港・羽田空港の行程であった。天候は第一日目は雨に祟られたが、後の二日間は晴天に恵まれ、期待に応えて各地の桜も最盛期であり、大変楽しい旅行であった。
今回の旅行は宮津市岩滝町の我が日本冶金工業(株)大江山製造所(ニューカレドニア・インドネシア・フィリピンより鉱石専用船にてステンレスの原料である、ニッケル鉱石を輸送ロータリーキルンにて精錬、フェロニッケルを生産して川崎製造所に送りステンレスを製造している)を久し振りに車窓及び眺望にて接して、感動したものである。
◎丹波の小京都・豊岡市出石町
小京都丹波の出石花の雨 春陰に出石皿蕎麦軒連ぬ
春の雨沢庵和尚の聖地かな 震鼓楼花の櫓に時刻む
こうのとり目を凝らしける春の空(コウノトリ野生復帰事業活動中)
◎丹後天橋立大江山国定公園
○伊根湾(重要伝統的建造物群保存地区)
さざ波と甍の波の春舟屋 花冷えに保存長屋の舟屋かな
うみねこ(ウミネコ)の騒ぐ伊根湾春の潮 伝説の浦嶋神社(宇良神社)松の花
○天橋立
春の雨天橋立飛龍観 春時雨三代揃って股のぞき
橋立に遣らずの雨や若緑 宮津節旅情をそそる春の宵
合言葉傘忘れるな花盛り(弁当忘れても傘忘れるな)
春の宵磯鵯(イソヒヨドリ)の美声かな 春暁に梢の頬白(ホオジロ)宮津湾
○日本冶金工業(株)大江山製造所(岩滝町)
花冷えにニッケル精錬蒸気立つ 山積みのニッケル鉱石花の雨
鉱石船南海途上や春の潮 廻船橋開く艀(鉱石艀)の春模様
◎山陰海岸国立公園
○浦富海岸
春の磯道路工事の不遇かな 遠景の奇岩怪石春の海
○鳥取砂丘
風紋の上り下りに春の砂 春光や砂簾行く息遣い
馬の背の砂丘はるかな春の海 砂丘越し春惜しむべし日本海
ランチにはあご(飛魚)かつバーガー日永かな
花疲れふろしき饅頭地の味見 妖怪の棲む街ゲゲゲ春の怪(水木しげる)
○白兎海岸・因幡の白兎
白兎ビーチの記念碑長閑かな 南限のはまなす群生浜の春
○宍道湖
松江城春空高く天守閣 宍道湖の恵みの七珍(汽水湖産物)春の市
◎出雲大社
縁結び大国様(大国主大神)に花の雲 麗かに二礼四拍手神楽殿
平成の大遷宮の弥生かな 神集ふ神在月待つ花の宮
◎皆生温泉
潮騒に松の緑や皆生の湯 春の風呂砂浜白し日本海
◎足立美術館
山陰の名園数多若緑 大窓に枯山水庭春霞
豪放の(横山)大観室や花盛り 日本画の粋を仰ぎて春館
(北大路)魯山人陶芸館の弥生かな
◎お菓子の壽城
忽然と壽城の春お菓子 とち餅のお菓子の城や春の風
◎大山
道すがら残雪の峰伯耆冨士 山陰の四方を睥睨山笑ふ
◎倉敷美観地区
白壁と蔵の町屋に花の雲 天領米積み出し遥か春の水
備前焼茶碗求める日永かな 花盛り東西アートの(大原)美術館
赤煉瓦紡績包む蔦若葉(倉敷アイビースクエア) 若柳倉敷川の石畳
蒼鷺(アオサギ)の馴れ馴れしさに水温む 家苞は岡山の花吉備団子
◎鷲羽山展望台
春霞吉備の児島の鷲羽山 眺望の瀬戸大橋や花の丘
瀬戸内の島々眼下に春深し 見納めの旅の終わりや花盛り
以上
平成二十三年五月五日
白田萬里(義郎)
※ 尚、この旅行中に観察した野鳥は三十種で、下記の通りであった。
カイツブリ・カワウ・マガモ・カルガモ・コガモ・オナガガモ・ヒドリガモ・キンクロ・ハジロ・セグロカモメ・ウミネコ・コサギ・ダイサギ・アオサギ・トビ・キジ・キジバト・ドバト・ツバメ・ハクセキレイ・ヒヨドリ・ジョービタキ・イソヒヨドリ・ツグミ・ウグイス・ホオジロ・カワラヒワ・スズメ・ムクドリ・ハシボソガラス・ハシブトガラス。